第8回おしゃべりプロジェクト感想

 

令和6年6月23日(日曜日) 13:00〜14:30 (オンラインでの実施)

 

 令和6年度1回目のおしゃべりプロジェクト(第8回)は、「子ども」がテーマでした。今年度は、子どもについて考えてみよう、ということで1回目「子ども」、2回目「学校」3回目「家庭・地域」をテーマに設定することにしました。
 今回は「子ども」という大きな枠組みになりましたが、「不登校の子どもの居場所」「放課後の居場所」「虐待通報の判断について」「特別支援教育について」「外国籍の子ども」などなど、それぞれのブレイクアウトルームで、多岐にわたる内容の話で盛り上がったのではないかと感じています。ブレイクアウトルームでおしゃべりした後、みなさんとシェアする中で、自分が参加したブレイクアウトルーム以外での話の内容がわかることも大いに勉強になっています。学校心理士資格取得後、初めて参加して下さった方もいらして、事務局としてはとても嬉しく感じました。研修での学びとはまた別に、ラフな雰囲気の中で、専門職として子どもや保護者と向き合うことへのちょっとした不安や緊張感が語られる一方、他の参加者の皆さんから学校心理士としての経験や、これまでの専門職としての経験・知識・情報など、ブレイクアウトルームでの話題を通して話をしていただくことになり、これからの仕事にいかしていただく安心感につながったのではないかと勝手に確信?しています。そして、なんでも自由に話をすることができる機会は、学校心理士として経験の浅い方から学校心理士経験が長い方々が一緒に話をすることが出来るとっても大事な時間なのではないかと改めて感じました。これからもおしゃべりプロジェクトは続きますので、みなさんぜひ参加して下さい。お待ちしています!!

第7回おしゃべりプロジェクト感想  

 

 2024年2月4日(日)13:00〜14:20  テーマ「貧困・虐待」 

 

 令和5年度の3回目のおしゃべりプロジェクトは、「貧困・虐待」がテーマでした。学校現場ではこうした福祉的な内容に触れる機会が少なく、話題として取り上げられることもあまり多くないのではないかと思います。それは、デリケートな内容で守秘義務を意識すると話題にすることさえためらうということに他ならないと考えます。ですが、日常生活において実際に困っている子どもたちは声をあげることもできず、しんどさを抱えています。子ども家庭庁ができ、「子どもの権利」を改めて確認する中、「貧困」「虐待」ケースにどう向き合っているのか、またどう向き合っていけばよいのか、それぞれの立場での取り組みや考えについて話をするよい機会になりました。事務局も含め24名の参加者の方が、それぞれブレイクアウトルームに分かれ、ざっくばらんに話をすることができ、ネグレクトや児相案件の虐待、性虐待、ヤングケアラー、生活保護家庭から感じる経済格差、教育格差、逃げ道としての援助交際、トー横キッズ、オーバードーズなど、話題が尽きることのないあっという間の時間でした。「SOSに気づくことが大事」「家庭と学校の信頼関係作りが必要」「愛着障害の子どもが多い」といった声が印象に残りました。
日曜日の午後という設定でしたが、いろいろなお話ができたことは、充実した休日を実感することにもなりました。コロナ禍の前に対面で開催されていた東京支部研修会後のブロック会もぜひ再開を熱望していますが、だんだんとこのおしゃべりプロジェクトが定着してきたことも嬉しく感じており、やや複雑な心境でもあります。多職種連携を考えると、専門職同士のつながりはとても大事ですので、これからもぜひ続けていきたいと事務局としては考えているところです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

東京支部2024年第1回研修会

2024年6月16日(日)14:00〜16:00
講師   飯田俊穂先生(安曇野内科ストレスケアクリニック)
タイトル  メンタルヘルスに役立つ脳科学及び心理学的アプローチの紹介及び事例を用いたアセスメント研修          

 

 日常生活における子どもの困り感に向き合う時、行動面や学習面、体調、発達特性やメンタルヘルスも含めたアセスメントから手立て(指導や支援)を考えることが重要ですが、最近は脳科学からの解説について話題になることが多く、ブームのような流れを感じる中、飯田俊穂先生のお話を大変興味深く聞かせていただきました。
 「脳科学から分かってきたこと」と「脳科学で否定されている内容」からは、日頃メディア等を通して受け取る情報を簡単に信じ込むリスクについて考えさせられるのと同時に、正しい情報を得ることの重要性について考える機会にもなりました。
「脳科学的に様々な力を高めるためのアプローチ法」では、≪複数の選択肢から選ばせるようにするとやる気が高まる≫≪記憶力を高めるには学習する場所を変える、運動する、水を飲む≫≪セルフコントロール力を高めるには、ごっこ遊び、音楽に合わせて体を動かす、ボランティアや他者を助ける活動などで思いやりを持つ≫ことが有効であると教えていただきました。また個人的には「子どもに関わるテクニック」として取り上げられていた【コネクト&リダイレクト】の考えが最も印象に残りました。【コネクト】は、子供の感情が高ぶっているときは気持ちを理解したことを行動や言葉で伝え、心と心をつなげていくことが大切であるということ、【リダイレクト】は、子どもが落ち着いた状態になってから感情が高ぶっていたときのことを思い出し、やるべきだったことややってはいけなかったことなどを説明するというものでした。具体的には、抱っこしたり背中をなでたりする行為、「嫌だったんだね」など子どもの気持ちを言葉にしてあげること、つまり落ち着いた状態で説明しサポートをすることが「成長のための重要なプロセス」であり、信頼関係を作ることができるようになるということでした。
また、小児科医の成田奈緒子先生が確立された脳育ての方法「ペアレンティング・トレーニング」(子どもが自ら考えて行動できるように親が行動や意識改革をして子どもの脳にいい刺激を与えていく方法)もご紹介いただきました。良い脳を育てる6つのポイント、@ブレない生活習慣A調和のとれたコミュニケーションB互いを尊重して協力し合うC怒りやストレスへの適切な対処法を共有するDポジティブな家庭の雰囲気を作るE親がブレない軸を持つというものでしたが、『ブレない、コミュニケーション、尊重する、共有する、ポジティブ』などの重要なキーワードを再認識し、教育・心理・福祉等の専門職として子どもだけでなく親(保護者)と向き合うとき、強く意識していきたいと思いました。
最後の「アセスメント研修」の目的は、生物心理社会モデルの視点とウェルビーイングの考え方を持ち、「自分の見立てに固執せず、みんなの意見を取り入れて柔軟なアセスメントを行えるようになること」を目指すもので、多職種連携が求められる中、よい連携がクライエントの支援だけでなく、専門職であるわれわれも成長することにつながるのだと教えていただいたような気がしています。ありきたりの言葉かもしれませんが、明日からの支援にいかしていきたいと考えています。飯田先生、どうもありがとうございました。

日本カウンセリング学会第56回大会の案内

日本学校心理士会東京支部の皆さまへ

 

 

 

一般社団法人学校心理士認定運営機構/日本学校心理士会が後援団体となっている日本カウンセリング学会第56回大会の案内についてお知らせします。

 

研修会に参加した場合は学校心理士資格更新ポイントが与えられます。

 

一般社団法人日本カウンセリング学会第56回大会 (k-gakkai.jp)

【第6回おしゃべりプロジェクト感想】

2023年10月1日(日)15:00〜16:20
 今年度2回目のおしゃべりプロジェクトは、「特別支援教育」をテーマに、ブレイクアウトルームに分かれて、おしゃべりをしました。今回は、初めてブレイクアウトルームを2回設定しました。より多くの方と出会い、お話しができるように工夫したことと、途中から参加して下さる方が、はじめから会話に参加できるように配慮したものです。とてもスムーズに進めることができたと思います。
 東京都では特別支援教室がスタートして8年目になり、学校の中ではかなり認知されてきたと実感するところですが、利用のしかたや特別支援教室での指導・支援方法は自治体により違いもみられます。校内に通級指導教室が設置され、子どもたちが適切な指導を受けることにより、教室でみんなと一緒に学習に取り組むなど、安心して学校生活を送ることができるようになる一方で、巡回教員や専門員不足(希望者が少ない?)とも言われており、課題は多いと言えます。
 参加者の中には、教員、養護教諭、SC、SSW、巡回相談心理士等が多く、現在の特別支援教育に対し、それぞれ日常の仕事から感じている思いや考え、疑問などを話す貴重な機会になったと感じています。これまでのおしゃべりプロジェクトと同じメンバーになり、再会を喜びながら?なごやかに話が進むグループもありました。毎回のことですが、どのグループも終わりが近づくと「あっという間に時間が過ぎてしまって、もっとしゃべりたい感じでした」という感想が多く聞かれ、その名残惜しい気持ちを次のおしゃべりプロジェクトにつないでいきたい!と思ったりしました。
 コロナ禍で学校心理士会東京支部の研修会がオンラインになり、研修会後のブロック会が開催できなくなったことから、このおしゃべりプロジェクトをスタートさせることになりました。少ない参加人数でも地道に継続することで、学校心理士仲間のつながりを維持し、信頼が深まる機会にしたいとの思いで続けてまいりました。10月中旬に、おしゃべりプロジェクトが「2023年学校心理士会賞」を受賞する運びとなり、本当に光栄でありがたいこと!と、橋本支部長はじめ東京支部事務局一同大喜びでした。授賞式はオンラインでしたが、おしゃべりプロジェクトで司会担当の磯野さんと運営担当の石澤さんが事務局を代表して出席しました。全員に立派な賞状までいただき、身の引き締まる思いです。受賞のご報告が遅れましたことをお詫びするとともに、これからもしっかりと取り組んでまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 次回は、2024年2月4日(日)13:00から、「虐待・貧困」をテーマに開催する予定です。
みなさまのご参加をお待ちしています!!

 

                                                  記録:宮下佳子