東京支部2024年第2回研修会のご案内
日時:2024年12月1日(日)14:00〜16:00 ※入室は13:30ごろから可能です。
講師:藤川浩(ふじかわ ひろし)先生(駿河台大学心理学部教授)
演題:「逆境に取り残される子どもたち 〜非行少年の立ち直りに携わった元家裁調査官の話〜」
概要:子どもたちによる重大な非行が報道され,社会を驚かせることがあります。また、行き場のない子どもたちがさまよい集い、大人たちの毒牙にさらされ続けています。
成長の途上にある子どもたちによる非行を防止し,過ちを犯してしまった少年を更生させていくことは,私たちの社会の重要な課題となっています。
非行少年をはじめとする問題行動を繰り返す子どもたちをどう理解し、どう働きかけていけばよいのか。家庭裁判所調査官として非行少年の立ち直りに携わった経験を踏まえて、皆さんとご一緒に考えていきたいと思います。
受付は締め切っております。
研修会中にアンケートを実施できなかった方は、
こちらからご入力をお願いします。
第9回おしゃべりプロジェクトのご案内
早いもので今年も残りあと1ヵ月あまりになりました。つい先日まで夏のような暑さで、
今は真冬の寒さ、季節感がわからなくなる戸惑いを感じていますが、みなさまはいかがお過ごしでいらっしゃいますか。
12月1日(日)は学校心理士会東京支部今年度の第2回研修会が開催される予定です。
駿河台大学教授藤川浩先生から非行の予防と非行少年の更生を中心にお話をいただくことになっています。
学校などさまざまな現場で子どもたちをサポートする心理職として何ができるのか、
非行について理解と対応について学ばせていただきたいと考えています。
また翌週12月8日(日)13:00からは、恒例の「第9回おしゃべりプロジェクト」を開催する予定です。
今年度もそれぞれの回にテーマを設定し、1回目「子ども」(6月)、2回目「保護者(家庭)」3回目「学校」となっています。
2回目の今回は「保護者(家庭)」がテーマです。今年度の不登校児童生徒数が約34万人を超え、
大きな課題となる中、いじめ、虐待、ヤングケアラー、自傷行為等、
多くのそして重大な課題が山積しています。
短い時間ですが、ちょっとしたヒントや情報に触れる機会にもなっています。
たくさんのみなさまのご参加をお待ちしていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
日時:12月8日(日曜日) 13:00〜14:30 (オンラインでの実施)
参加対象者:東京支部会員のみ
参加費:無料
※なるべく多くの方とおしゃべりができるよう、ブレイクアウトルームを2回に分けて実施します。
ぜひお気軽にご参加下さい!!
東京支部2024年第1回研修会
2024年6月16日(日)14:00〜16:00
講師 飯田俊穂先生(安曇野内科ストレスケアクリニック)
タイトル メンタルヘルスに役立つ脳科学及び心理学的アプローチの紹介及び事例を用いたアセスメント研修
日常生活における子どもの困り感に向き合う時、行動面や学習面、体調、発達特性やメンタルヘルスも含めたアセスメントから手立て(指導や支援)を考えることが重要ですが、最近は脳科学からの解説について話題になることが多く、ブームのような流れを感じる中、飯田俊穂先生のお話を大変興味深く聞かせていただきました。
「脳科学から分かってきたこと」と「脳科学で否定されている内容」からは、日頃メディア等を通して受け取る情報を簡単に信じ込むリスクについて考えさせられるのと同時に、正しい情報を得ることの重要性について考える機会にもなりました。
「脳科学的に様々な力を高めるためのアプローチ法」では、≪複数の選択肢から選ばせるようにするとやる気が高まる≫≪記憶力を高めるには学習する場所を変える、運動する、水を飲む≫≪セルフコントロール力を高めるには、ごっこ遊び、音楽に合わせて体を動かす、ボランティアや他者を助ける活動などで思いやりを持つ≫ことが有効であると教えていただきました。また個人的には「子どもに関わるテクニック」として取り上げられていた【コネクト&リダイレクト】の考えが最も印象に残りました。【コネクト】は、子供の感情が高ぶっているときは気持ちを理解したことを行動や言葉で伝え、心と心をつなげていくことが大切であるということ、【リダイレクト】は、子どもが落ち着いた状態になってから感情が高ぶっていたときのことを思い出し、やるべきだったことややってはいけなかったことなどを説明するというものでした。具体的には、抱っこしたり背中をなでたりする行為、「嫌だったんだね」など子どもの気持ちを言葉にしてあげること、つまり落ち着いた状態で説明しサポートをすることが「成長のための重要なプロセス」であり、信頼関係を作ることができるようになるということでした。
また、小児科医の成田奈緒子先生が確立された脳育ての方法「ペアレンティング・トレーニング」(子どもが自ら考えて行動できるように親が行動や意識改革をして子どもの脳にいい刺激を与えていく方法)もご紹介いただきました。良い脳を育てる6つのポイント、@ブレない生活習慣A調和のとれたコミュニケーションB互いを尊重して協力し合うC怒りやストレスへの適切な対処法を共有するDポジティブな家庭の雰囲気を作るE親がブレない軸を持つというものでしたが、『ブレない、コミュニケーション、尊重する、共有する、ポジティブ』などの重要なキーワードを再認識し、教育・心理・福祉等の専門職として子どもだけでなく親(保護者)と向き合うとき、強く意識していきたいと思いました。
最後の「アセスメント研修」の目的は、生物心理社会モデルの視点とウェルビーイングの考え方を持ち、「自分の見立てに固執せず、みんなの意見を取り入れて柔軟なアセスメントを行えるようになること」を目指すもので、多職種連携が求められる中、よい連携がクライエントの支援だけでなく、専門職であるわれわれも成長することにつながるのだと教えていただいたような気がしています。ありきたりの言葉かもしれませんが、明日からの支援にいかしていきたいと考えています。飯田先生、どうもありがとうございました。